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Wowee Zowee !

わーうぃーぞーうぃー!

Wowee Movie 2

20170311『鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド [DVD]

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日本のクライム・ムービーとなるとこんな感じになるのかしらと思った。一芝居打つために便利屋が役者に演技を仕込むシーンが良かった。あのちぐはぐでおちょくったような場面展開、全然違うものだが『気狂いピエロ』のガソリンスタンドのシーンを思い出した。下手に演じるということは難しいと思う。下手に演じているのを分かってもらう必要がある。演じることは演じているのだということを相手に悟らせないことが基本にあると思うのだけれども、こういう場面においては下手に演じているんだなあということが分かった方が楽しいので、そういうものまで提供しようと思うとこれは本当に途方もないことなのだななどと考えてしまう。
 
 
20170314『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』
グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち [Blu-ray]

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言ってほしい言葉が、そこにはたくさんあった。繰り返される「君は悪くない」よりもたった1度きり絞り出した「僕を許して」が僕にとっては大きかった。自分を許すことができれば、どんなに幸せだろう。こうやって誰かから背中を押してもらうことで、ようやく自分を許すところの地平に立つことができるということ。許して、許されて、僕らは初めて正しく前に進める。でも、現実なんてそんな都合よくできてはいないから、許すことができなくても「赦されているかのような感覚」を内側につくりだしながら、不格好でも前に進むしかない。そのことすらも、ラストの選択の爽やかさは肯定してくれているような感覚に陥る。
 
 
20170319『太陽を盗んだ男
太陽を盗んだ男 [DVD]

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ジュリーがセクシーだった。セクシーな男性というのはいいものだ。それだけで憧れる。時代だなと思いつつも今も見れるというのはこの国がいかに前に進んでいないか(あるいは何かを繰り返しているか)を見せつけられるような気分になる。原爆を手に国家を脅しつつ「自分の要求が分からない」と絶望する主人公の姿を、誰が笑えるだろうか。物語のヒーローとしては、彼はよくやったと思う。
 
 
20170409『東京物語
東京物語 [DVD]

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全てを受け入れて行く諦念の傍らには、いつだって言葉の呪いがある。だから、様々な情念や運命を受け流すようにしている老夫婦たちは実は全てを真正面から受け入れているのと同様の状況に陥っているのだと思う。その静謐で清潔なストラグルが延々と続いていたからこそ、物語の最後に現れる周吉の「受け入れきれずに漏れ出してしまった」さびしい姿に繋がるのだろう。唯一老夫婦に慈悲の心を向けるかのように見える次男の嫁(つまりは他人だ)も、それだって結局は死んだ次男を何とかして自分の中で生きながらえさせようとする姿勢の表れだし、嗚咽混じりに「わたしずるいんです」と吐き出すその姿に正対した周吉の「赦し」を経てようやく自分自身を許し「時計」の針を進めていく…。周吉はそのために使われてしまったかのようにすら見える。だが彼にそうする以外の選択肢があったのだろうかとも思う。受け入れることは、なんて難しいんだろう。
 
 
20170409『ストレンジャー・ザン・パラダイス
ストレンジャー・ザン・パラダイス [DVD]

ストレンジャー・ザン・パラダイス [DVD]

劇中で悪友に「お前と同じアメリカ人だ」と言う主人公(ハンガリー人である)が最終的には祖国へ送り返され、どうにもアメリカがなじまないエヴァがフロリダの安モーテルに戻ってくる、というのがたまらなく愛おしかった。(それでいて「何処へ行っても同じ風景」なのだ)
前半でそれぞれがぎこちなく過ごしている間はなんとなくうまくいっていたのに一緒にいようとすると途端にすれ違い始める辺りに、青春とはそうでなくては!という気持ちがわいてくる。それでもワンシーン・ワンカットで「黒」を挟みながらぶつ切れで展開していく「間」のとり方が感情の無用な高揚を抑えてくれる。こういう抑制のきいた演出は大変好みで、エヴァがプレゼントされたドレスを道端のゴミ箱に脱ぎ捨ててしまうのと同じような突放しを受けて嬉しくなる。やはり、必然的に何も起きない話というのは最高だ。