Wowee Zowee !

わーうぃーぞーうぃー!

【2015年間ベスト】2015 WZ! BEST MUSIC vol.4  20-11

20. War / James Ferraro

イラク戦争の退役軍人のためのPTSD治療プログラムに着想を得たデジタルな「War」の怒りと悲しみ。とても辛い作品だ。
 
 

19. Infinite House / Ava Luna

Infinite House [ボーナストラックのダウンロードコードつき]

Infinite House [ボーナストラックのダウンロードコードつき]


 

これは怪しくセクシーな大成長!奥行きのあるミニマルさが楽しいアートファンクな快作。前作が話題でこれがスルーはさすがにないぜ。
 
 

18. 愛ならば知っている / 泉まくら

愛ならば知っている

愛ならば知っている



「何でもあるけど何にもない」が仮想的だった時代から、何かであれと強要する存在への拒絶を声高に叫ばなければいけない時代へ。果たして現在地は?そう、「叫ばなければいけない」はとっとと過去形にしてこんな冬の時代は脱ぎ捨てて次へ行かなければいけなかったのだ。やっと僕らは何者でもないことを受け入れ始めたはずだったのに。いまだに君は何にでもなれるとか、君の力は想像以上だとか、そういうメッセージがのうのうと息づいているだなんて。あるいはSNSが10代をそれにしばりつけているだなんて…。結局はユースにそう語りかけ続けないと、そうやって囲っておかないと、困る(というかその方が都合がよい)大人たちがいるんだろうね。勘弁してくれ。アホか。どうして何者でもないままじゃいけないの?

ナイーヴさの隙をつく「正義の」大人たちにつばを吐け。周囲に細心の注意を払いながら日常をゆけ。大人たちはみな悪人だ。子どもたちはもっと大人が悪いって言うべきだ。何者かになろうとしてなった気になっている奴らも、何者かになることが幻想であることに気づかず勝手に絶望したり、訳知り顔でこれからの君たちに語りかける連中は間違いだよ(それは僕だってそうなんだぜ)

大人たちはユースへのせめてもの責任として、ただ、正しくあれ。なぜなら若き彼ら彼女らの方が愛のことをよく知っているのだから。僕にだって若いころはあって、愛ならば知っていた。それが今やこのありさま。大人のいうラヴ&ピースなんて嘘っぱちだ。僕らは時代に(時代は僕らに何もしてくれなかったじゃないか)いつまでも醜くすがりついてないで若者にバトンを渡すべきなんだ…。

何者でもない若者たちの、日々の悲喜こもごもを泉まくらは語り続ける。舌足らずな表情と都市の寂寥感で真実をつくスタイルはそのままに、スキルは格段に成長を見せ、個性豊かなトラックメイカーたちと前作まで以上にやりあっている。素晴らしい緊張感。アイコン感が増している。棄てるなどしていたころから、あるいは卒業までにうとうととしていたそのころから、空虚さを展開することで逆説的にその関係性の濃密さを射抜いていた。そこをていねいに描き続けること、何者でもないことを真正面から受け止め続けること、そのことがお仕着せではない希望になっていくはずだ。
 

17. Sound & Color / Alabama Shakes

Sound & Color

Sound & Color

 
鳴りが素晴らしい。耳大喜び。あの時代の土臭いサウンドを奏でながら、彼ら彼女らはどこまでも自由だ。
 

Alabama Shakes - Don't Wanna Fight (Official Audio)

16. Skid Row / James Ferraro

Skid Row [ボーナストラック3曲「WAR EP」 (DLコード)]

Skid Row [ボーナストラック3曲「WAR EP」 (DLコード)]

 
 
舞台はNYからLAへ。vaporwaveの父の新作はまたしても静かに都市の欺瞞と暴力、寂寥を描ききっている。

15. ATMOSPHERES 第4 / ECO VIRTUAL



ヴァーチャルなグローバル大気解析センターの第4幕。潔癖で不気味な世界観はまだ続く…。15年には『WILDLIFE CANADA 東海岸 (Original Documentary Soundtrack)』も発表されていて、そちらもタイトルどおりな作品で好印象だが、断然こっち派。結局頓挫してしまったかのように思える蒸気の波の戯れは、それでも檻からいくつもの音楽を解放した。だが…以前に僕は「蒸気の波は音楽を幽閉していた檻を無化したが、まるでそれだけが目的であったかのように自ら形を変え、vaporwaveというタグを離れ音楽へと帰るのか。あまりに出来すぎた悪戯だ」なんて言っているが、状況はタフさを増しているといえよう。願わくば彼らがそのタグを離れるかどうかは別として、その悪戯が批評性を持ち続けてくれることを願う。
 
 

14. Carrie & Lowell / Sufjan Stevens

Carrie & Lowell

Carrie & Lowell

 
亡き母に捧ぐ。喪失感と愛憎…「アメリカ」のSSWだなあと思う。素晴らしい。涙。
 

 
 

13. Waxing Romantic / Travis Bretzer

Waxing Romantic

Waxing Romantic

 
カナダのSSW。猛烈に甘く、ロマンティック。ネオアコ感満載のドリーミーさは、アリエルピンク周辺人脈と聞いてなるほどと思うなど。
 
 

12. COMMUNIONS / COMMUNIONS

COMMUNIONS (日本特別盤・解説・歌詞対訳付き)

COMMUNIONS (日本特別盤・解説・歌詞対訳付き)

 
つくづくタイミングだな、と思う。コペンハーゲン発、あまりにスウィートであまりに煌びやか、嫌みのない青春そのもののサウンド。これを80~90年の幻影と切って捨ててしまうのは簡単だが…深刻さを増す世の中において、これほどの状況に対する甘美なカウンターを誰が鳴らせただろう。10年代のキッズたちにもストーン・ローゼズがいたっていいじゃないか。というか、まさに今、本当に必要なのはこういう輝きじゃないのか。
 

Communions - Out of My World (official video)
 
 

11. TAKE CARE / シャムキャッツ

TAKE CARE

TAKE CARE

郊外に住まう「彼ら」のあれこれを描いた2ndの延長戦。ごはん作らず申し訳ないな、とかでもいいから、伝えたいことは本当に考えておかなければならないし、伝えておかなければならないとも思う。「その日」がいつ来るかわからないのだから。「GIRL AT THE BUS STOP」に宿る「遅くないよ。動いてもいいんだよ。まあ仮に遅かったとしてもお前が悪いんだからあとはしらねーよ、独りで生きていけ」という最高なメッセージを受け取ったときから、僕は優しくしたくて優しくすることに自覚的になって、救われた。延命された。2015年のリアル。
 

シャムキャッツ - GIRL AT THE BUS STOP


シャムキャッツ - WINDLESS DAY live at 浦安鉄鋼団地