【2014年間ベスト】2014 WZ! BEST MUSIC vol.4 40-31
40. ATMOSPHERES 第2 / ECO VIRTUAL
ヴァーチャルなグローバル大気解析センターがお送りする第2幕は、雄大な自然が織りなしている音楽を見事に表現している。それは前作のような天気予報といったようなものを媒介しない、現地からのダイレクトでリアルな報告ともいえるたたずまいだ。vaporwaveが音楽を(たとえそれが悪趣味な手法だったとしても)音楽そのものへと回帰させる試みだったとするならば、fortune500が活動をやめ、その内輪なシーンがうやむやに離散しても、この混沌とした時代にあまりに無邪気すぎるその願いは果たされるその日までこうして続いていくのだと信じている。
39. グッド・ナイト / 森は生きている

- アーティスト: 森は生きている
- 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
- 発売日: 2014/11/19
- メディア: CD
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今まで実は「グッドモーニング」という言葉がひそかにとても好きだったのだけれども、グッドナイトについては意識したことがなかった。これは結構すごいことだ。ロックンロールの時代におやすみとか言ってたのに。それにしてもこの音楽は…眠るにはいささか刺激が強すぎないか。ポップミュージックにおける現代音楽。参照点のタイムレスな感じは相変わらず純な音楽集団だなあと思わせられる。
森は生きている - 煙夜の夢 a,香水壜と少女 b,空虚な肖像画 c,煙夜の夢 - YouTube
38. Honeymooning / Grime Kings
カナダはオタワ発、ストレンジポップの良作。ジャケット、すてき!
37. Sunny / サニーデイ・サービス

- アーティスト: サニーデイ・サービス
- 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
- 発売日: 2014/10/21
- メディア: CD
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再結成以前のサニーデイサービスは僕の青春どころか僕の人生そのものと分かち難いほど強く結び付いてしまっているので、冷静な判断なんて難しいのだが。前作は確かに今のサニーデイが鳴らしたらこんな音になるだろうなという自然な感じがあふれていた。今作は多産状態に入った曽我部恵一ソロとサニーデイとの境界が融解しかかった感がある。曽我部恵一氏がサニーデイを使って鳴らす、という面持ちの音楽がいくつか点在していて、まるで「サニーデイ・サービスが今奏でなければいけない音楽」を探し求めてさまよっているかのような一枚だ。いくつかの楽曲でその「今」が見つかりかかっていて涙しそうになる。昨年出たEPの曲たちは極めて優秀だった。
サニーデイ・サービス「愛し合い 感じ合い 眠り合う」【Official Music Video】 - YouTube
36. The Moon Rang Like A Bell / Hundred Waters

- アーティスト: Hundred Waters
- 出版社/メーカー: Owsla
- 発売日: 2014/05/27
- メディア: CD
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フォークトロニカと聞くと、そういえばOne Am Radio新作出さないのかな…と思ってしまう。まあそれはいいとして。サウンドというよりは声が中核にしっかりと据えられていて、勉強不足で彼らのことをしらなかった僕は一聴してヴォーカルのソロプロジェクトか何かかと思ったくらいだ。もちろん声、だけでなく中盤以降にあるダンサブルな楽曲もよくできている。
Hundred Waters - Murmurs (Official Video) - YouTube
34. Love Letters / Metronomy

- アーティスト: Metronomy
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 2014/03/18
- メディア: CD
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出世作の『Nights Out』はニューレイヴの狂騒を横目に、ダンスフロアから距離を置く、ロマンチックなエレポップだった。前作『The English Riviera』は、イーグルスミーツダフトパンクとか形容されてた良作で、その後の一つの潮流を予見するような作品でもあった。今作はレトロなフィーリングに包まれたエレクトロ・ソウル。誰もやっていない音楽をずっと鳴らしていると、そう思うんだけどな。
Metronomy - Love Letters (Official Video) - YouTube
33. Still Blue / Jared Evan
2013年リリースの「Boom Bap & Blues」の続編で、前作に続いてスタティック・セレクターがプロデュース。聞きやすいインディR&B。
32. The Pier / くるり

- アーティスト: くるり
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2014/09/17
- メディア: CD
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今もなお第一線で活躍しながら、音楽的野心を失わず、それをポップミュージックにちゃんと落とし込んで発表して、コンスタントにぼくたちを驚かせたり楽しませたりしてくれる。ああ、くるりがいてくれてよかった。我が3枚、は青春だから揺るがないけれど、本当に幸福な音楽体験で、イコライザいじって楽しいオブザイヤー。将来的にはしっかりお金を貯めていい再生環境を整えたいなと思った次第。リズミックな祭囃子にHR的意匠がまぶされ、音楽世界旅行は続くよどこまでも。
くるり-There is(always light)