Wowee Zowee !

わーうぃーぞーうぃー!

2013 WZ! BEST MUSIC 100 vol.17

10. Orange Moon Soul / Lantern Parade

Orange Moon Soul

Orange Moon Soul

「美しいなれのはてになりたいと思う」、僕らのために。前作は最小限の音像でうたに寄り添ったシンガーソングライターアルバムともいえるような仕上がりで、その言葉一つ一つの正しさに感動し、年間1位にも挙げた。今作ではサンプリング中心の音作りに回帰し、その上に短く、乾いた、それでいて適切な質量をもった言葉が配置されている。夜を取り戻すための音楽としても機能するし、インディソウルとしても聞ける非常に機能的な前作に引き続いてのすばらしい作品。「弱くても生きていける世界になってほしいがために 君は強くなりたがる」これが極上のトラックの上を他の言葉と同じ温度で流れていく。本当に大変なことです。それでいて「ファンキーフィードバック」から「アガメズ」の流れはブリブリで暴力的。最高。

9. Loud City Song / Julia Holter

Loud City Song

Loud City Song

 
高貴なる、高潔なるポップソング。心が洗われるようだ…。のちにミュージカル映画としても公開された1944年のシドニー=ガブリエル・ コレットの小説『ジジ』から着想を得て、ジョニ・ミッチェルらのレコードを傍らに、夜をまとったロスアンジェルスなコンセプトアルバム。そう、エンジェルス…。
 
【つべ】Julia Holter - Horns Surrounding Me
【つべ】Julia Holter - This Is A True Heart
【つべ】Julia Holter - World
 
 

8. Untogether / Blue Hawaii

Untogether (ボーナス・トラック収録/正方形紙ジャケット仕様)

Untogether (ボーナス・トラック収録/正方形紙ジャケット仕様)

 
やはり反転の美しさというのは素晴らしい。静謐さのあるトラックの宇宙を時に舞い、ときにただ佇む神様のごときその振る舞い、そう、ラファエルのヴォーカルはこのラヴプロジエクトにおける重要なキーであり、絶対的な王である。サウンドはテクニカルでアーティ。基本的にはポストダブステップ/チルウェイブ的な意匠をまとった静謐さと静寂が支配する空間展開ながら、意識的にダンスミュージックを厚めの下地にしたものや、フロアミュージックへの目くばせが垣間見えるその瞬間に、チョップされたその声と「規則正しく自由を謳歌する」エレクトロサウンドたちが、Blue Hawaiiなりのアンヴィヴァレントなコミューナル感覚の創造を先導する。
 
そう、『untogether』である。ジャケットのふたりの歪な抱擁。それはuntogetherを表現することで、togetherへの憧憬と疑義を同時に提示し、そしてそれを作品一枚かけて再構築する試みへの入り口だ。そもそもこのラヴプロジェクトの関係性そのものが、声へのサウンド側からの絶対視をベースにしている。これはその絶妙な距離感だからこそ可能な音像であり、ややもするとこの距離感は現代だからこそ成立し、意味のあることなのかもしれない。
 
彼らの音楽から受け取ったものを、もっとも端的にあらわしてくれるのは昨年のBest Discの際に並べたこの言葉かもしれない。「さあみなさん、美しくはなればなれになりましょう」ここにも僕は僕なりの反転を仕掛けたつもりだった。彼らほどではないにしてもね。

【つべ】Blue Hawaii - Reaction II
 
 

7. NYC, Hell 3:00 AM / James Ferraro

NYC, Hell 3:00 AM (ニューヨーク・シティ、午前3時の地獄) [未発表ボーナストラック5曲+ブックレット/解説/詞/対訳+帯付]

NYC, Hell 3:00 AM (ニューヨーク・シティ、午前3時の地獄) [未発表ボーナストラック5曲+ブックレット/解説/詞/対訳+帯付]

都市が夜を取り戻し始めている。それが2013年のという年だったと思う。それだけで本当に幸せだ。
 
【つべ】James Ferraro - QR JR.
 
 

6. Howlin / Jagwar Ma

Howlin

Howlin

 
ら、楽園の音楽だ!定期的にオーストラリアのシーンというのはトレンドになりますが、JETあたりとはまた別の文脈で、近年はたとえばTame Impalaとかが主流のサイケサウンドが活況だが、このJagwar maの登場がそのひとつの頂点でありとどめではないでしょうか。サード・サマーオブラヴを彼らだけで完遂させてしまいかねない甘美な太陽のささやき。これに陶酔できた夏は、どんなに素晴らしかったことだろう。

【つべ】Jagwar Ma - The Throw
【つべ】Jagwar Ma - Man I Need
【つべ】Jagwar Ma - Uncertainty