Wowee Zowee !

わーうぃーぞーうぃー!

2012にんじんBEST DISC 40 vol.5

20. 僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ / モーモールルギャバン

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ


morning benders(現POP ETC)がかつて鳴らしていた、世代を超えた物語。そこに自己憐憫と表裏一体になった強烈な自己嫌悪と敗北主義、人間の最も人間らしくあり、それでいて人が目をそむけようとするエゴが凝縮されたその部分と、それでもに賭けるロマンを加えたそれを彼らは4枚かけてついに表現した。そう、関西発、J-Popの未来をにらんだきったねえクラムボンは4作目にしてついにパンティを捨て去ったのだ。センスとテクニックで泥まみれでありながらも感情の渦を昇華する瞬間をぜひ。そしてそれは「いつか君に殺されても」続く物語。

19. Time's All Gone / Nick Waterhouse

Time's All Gone

Time's All Gone


50~60年代のリズム&ブルーズの香り。いま何年だよオブザイヤー2012。好きな人は好き。僕?大好き。

【つべ】Nick Waterhouse - I Can Only Give You Everything
【つべ】Nick Waterhouse - "Some Place"

18. Tender Opposites / TOPS

テンダー・オポジット

テンダー・オポジット


10年代におけるアリエルピンクが表舞台に出てきたことの(彼自身の選択だけに様々な要因があるわけではないが)功罪は多岐に渡るが、個人的には罪の部分が目立つかな、と考えていた昨今。こういう連中が出てくると手のひら返しで賞賛したくなる。80年代レトロポップマナーにそったグッドメロディー。切なく胸をかきむしる女性vo.と幽玄なギターサウンド、それからくぐもったアートワーク。数あるビーチポップやレトロ志向が、僕にはなかった「あの日」を描いていたのに対し、ここで紡がれている音像は、確かにあったあの日のような気がしている。

【つべ】Tops - "Diamond Look"

17. もはや平和ではないEP / うみのて

タワレコ限定EP。かき鳴らされる「お前らなんか不自由だ!!!」の咆哮。「新しい戦争を始めよう」は未見だが、ここに収録されている「東京駅」は本当に素晴らしい。
 
「気楽なもんさ/誰にも知られずに生きるってことは/死ぬってことは/自然ってやつさ/これが本当の/お前ら何か不自然だ/お前ら何か不自然だ!!」
 
まさに。
 
そう、ここには周囲に対する明確なフラストレーションがある。かつてのandymoriのように、そこに諦念とメメントモリを混ぜ合わせるようなやりかたではなく、より明確な形で。彼らは同時にこうも云う。「もはや平和ではない」と。「平和は一人の馬鹿によって破壊される」と。
 
聴けば聴くほど、これでもかというほどの反転の美しさばかりが漂ってくる。周囲にフラストレーションを吐きだすとき、人は訳知り顔で「そんなこというもんじゃないよ」という。黙れ。哀しみも、苛立ちも、喜びも、幸福も、それらはもれなく個人の持ち物である。その前提に立った上で「それでも」を渇望するからこそ、嘘でごまかし続ける人間に唾を吐くのである。
 
満たされたような顔であなた様のおかげでございますみたいなことばかりを壊れたレコーダーのように繰り返すやつらのことを僕は信じない。そんなもの人間関係における安保の傘の下で自由を気取る豚にしか過ぎない。
 
うみのては「本当のこと」を鳴らしている。フロントマンの笹口氏はソロ作の方で「平和のため」を歌う。この意味が分からないやつとは何を話しても無駄だとさえ思う。どうかご自愛ください。
 
【つべ】うみのて - もはや平和ではない MV
【つべ】うみのて【東京駅】【もはや平和ではない】【正常異常】2012/6/17 新宿URGA

16. Melody's Echo Chamber / Melody's Echo Chamber

メロディーズ・エコー・チャンバー

メロディーズ・エコー・チャンバー


今をときめくTame Impalaのケヴィンとのユニット、時流を行くサイケポップ。アイコンとしての要素は揃っている。だが僕にとっては南フランス発でこのジャケットという事実。そう、フレンチロリータ。つまりはセルジュ・ゲンズブールであり、レコーディングの際にセルジュの曲を怪しいフランス語で大音量で歌いながらドライブした、というエピソードだけで十分なのだ。冒頭シングル「I Follow You」から雰囲気満点。ラスト3曲がクレイジー。幽玄な時の中で漂う愛と幻想は、逃避の時代に新しい風を吹き込むか。

【つべ】Melody's Echo Chamber - I Follow You