読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Wowee Zowee !

わーうぃーぞーうぃー!

100年後 / OGRE YOU ASSHOLE

100年後100年後
OGRE YOU ASSHOLE

バップ 2012-09-19
売り上げランキング : 17665

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

「これまでの君と これからの君が 離れていくばかり」

こんな歌い出しで始まる今作が、時が断続的に続いていることへの抗いの武器になることは言うに及ばず、ただひたすらに、とにかく感動的である。2000年に鳴らされた真実「今が昨日じゃなく明日だということ信じるだけなのさ」―そう、あの真実の2012年版のアップデートだ。瞬間への憧憬、それでもの風景、全てはそこにあって、なにもない。見ればそうなる。


あるいは100年後には今あるものは何もない―そのことが素晴らしいと思える僕らにとって、この作品はあまりに福音が過ぎるといえるだろう。AORへと歩みを進めた前作『homely』の正当進化。Modest MouseらUSオルタナと共振を見せていた頃に後ろ髪をひかれる思いはこの作品を前に、もうない。『アルファベータvsラムダ』が最高だ、なんてもう言わない。この作品があるから。


いつ始まっていつ終わるかも分からない、あるいはずっと昔から、そしてこれからもたとえそこがノーマンズランドとなったとしても鳴り響き続けるであろうこのサウンドは、全てはずっとなかったんだとそう言ってくれる。あるいはあることが間違いだと。僕もあなたも何者でもなく、なにも言っておらず、ゆえに真理にたどり着ける。これは「何かであれ!」と迫ってくる時代に対して機能するレベルミュージックである。そういう意味で、『空洞です』が引き合いに出されるのも納得であり、もちろんそれぞれはクロスオーバーしつつ別な景色を描いているのだから、十字架とする必要もないなと同時に思うに至る。


そう、「僕にとって」で僕の世界はできていて、しつこいようだけどきっとこの世界にはもともと何もないんだ。何もないことを認められない僕らが作り出した色とりどりのものも、100年経ったらおしまいね。安心するよね。幸せだよね。どうせ死んじゃうってことはさ。ないことは、なくなってしまうことは、なんて美しいんだろう。