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Wowee Zowee !

わーうぃーぞーうぃー!

2011 にんじんBEST DISC 70 vol.7

音楽 BEST DISC

10. James Blake / James Blake

James BlakeJames Blake
James Blake

Republic 2011-03-22
売り上げランキング : 3008

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ダブステップ界の貴公子、ポップフィールドに殴り込み。「CMYK」のセクシーさをうたで昇華した傑作。いびつさに寄り添うアートワークと過度にデフォルメされた声。感情は身体性と切り離してそれそのものとして語ることは可能なのか。現代における発露することの意味と無意味の狭間。断片化されたいくつかのキーワードが投げ掛けられる。何者でもなく、かつ何者にもなれない、ならないと誓った僕らのモダンライフへの鎮魂歌。これはちょっとした事件だ。

[つべ] James Blake - The Wilhelm Scream
[マイスペ] http://www.myspace.com/jamesblakeproduction



9. Winter Creatures / Grand Hallway

Winter CreaturesWinter Creatures
Grand Hallway

CD Baby.Com/Indys 2011-06-21
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彼らのキャリアの中で最も地味な作品だと言えるかもしれない。前作のような神々しいまでの射光感もなく、かといって室内音楽然としていた傑作1stのような静謐さもそれほどでもなく。どこかオリエンタルな雰囲気を醸し出している日本的なメロディラインは健在ながらも、ただひたすらにいいポップソングが並んでいる「だけ」という印象。いやちょっと待て。「だけ」と今僕は言ったか。そんなはずがあるか。この作品を包み込んでいるのは温かな悲しみである。こんなクリスマスプレゼントがあるだろうか。いったいどれだけのバンドがこの境地に達しているというのか。作品ごとに様々な表情で多様な価値を提示し続けてくれる彼らを、僕は高く評価している。つまりは今作もまた、素晴らしいのである。

[マイスペ] http://www.myspace.com/grandhallway
[つべ] Grand Hallway "Little Sister"



8. ヘイト船長回顧録 / 鈴木慶一

ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄
鈴木慶一

ソニー・ミュージックダイレクト 2011-01-26
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曽我部恵一プロデュース3部作の最終作。<Harbour side>と<City-side>とで構成されるコンセプトアルバム。記憶と記録に関する日本の作品で、これほどの完成度を誇るものを少なくともこの数年、僕は聞いたことがなかった。今は亡きSparklehorseに通ずるサウンドコラージュと「かんかんのう」から「Witchi Tai To」まで、そして国籍だけでなくアナログ / デジタルの技術までをも縦横無尽に飛び回る極めて映像的な楽曲が居並ぶ宝石箱。優しくもそっけない慶一氏の歌唱と、濃厚で豊潤な意匠をまとったゲスト陣の存在感がここまで高度に絡み合ったまま適切なバランスを保っているのは、ある種の奇跡とすら思える。「未来」の正しい描き方はこうだと思う。これは追いつけない。

[公式] http://www.keiichisuzuki.com/



7. The Head And The Heart / The Head And The Heart

Head & the HeartHead & the Heart
Head & The Heart

Sub Pop 2011-04-19
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たぶん、大仰な言葉は何もいらないのだろうと思う。あまりに素晴らしすぎる極上のポップソング集。それ以上でもそれ以下でもない。シアトル出身、なるほどね。いいソングで、いいハーモニーで、エヴァーグリーン。これ以上ポップソングに何を求めるというのかね。Dr.Dog meets Dawes。シンガロングな展開もあって、ポップミュージックの根源的な楽しさと誠実さにあふれている。

[マイスペ] http://www.myspace.com/theheadandtheheart
[つべ] The Head and the Heart - Down In The Valley



6. W H O K I L L / tUnE-yArDs

フー・キルフー・キル
チューン・ヤーズ

ホステス 2011-05-04
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ロックの未来へようこそ!とばかりに語られた作品がこの数年だけでもいったいどれほどあっただろうか。そのほとんどが扉をこじ開けることもなく、沈澱していった。だが彼女は違う。MIAの再来を想う必要はない。なぜならこれはそうしたロックの文脈からの解放そのものであるからだ。無意味であることの有意味性、あるいはその逆か。これは最高品質の声とリズムセクションのアルバムであり、それ以上でもそれ以下でもないが、未来はきっとこの中にある。

[マイスペ] http://www.myspace.com/tuneyards
[つべ] tUnE-yArDs - 'Bizness'



5. Live Music / The Strange Boys

Live MusicLive Music
Strange Boys

Rough Trade Us 2011-10-24
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草食ってます、土食ってます集団の最新作。spoonのジムプロデュースの前半がまたいい味を出している。酔いどれロックとして流石の出来栄え。現代のパブロックかあるいはトムウェイツか。これはもはやブルーズなのかもしれない。ヘロヘロヴォーカルにルーズな演奏。ローファイなプロダクション。曲数が多くてだらしないのもいい。こういう完成のあり方も素晴らしいじゃないか。だって、こんなにも美しいのだから。そうだろ?

[マイスペ] http://www.myspace.com/thestrangeboys
[つべ] Strange Boys - Me And You



4. The Postelles / The Postelles

PostellesPostelles
Postelles

+1 Records 2011-06-07
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恋に落ちると形容される音楽が世の中には存在するが、これはその最たるものだろう。NYからの新星。ギターポップにこれ以上の正しさがあってたまるか。僕らは彼らを待っていた。ずっとずっと前から。そしてそのずっと前の僕も、あるいはこれからの僕も待ち続け恋い焦がれ続けるであろう音楽だ。

[マイスペ] http://www.myspace.com/thepostelles
[つべ] The Postelles - 'Sound the Alarms'
[つべ] "White Night" by The Postelles



3. WORLD RECORD / cero

WORLD RECORDWORLD RECORD
cero

バウンディ 2011-01-26
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今年聴いた国内のポップミュージックの中でも指折りの傑作。僕の哀しさをあざ笑うかのような、全てがフラットに配列されたアーバンなトーキョーインディポップ。以下はリリース当時の僕の項に譲ろう。
「「原風景への憧憬」という系譜と大国への成長を鬱屈した姿勢で見つめるまなざし、そして憂鬱な満足感をパッケージした音楽を好んで聴いてきた身にとってこの10年間の「消失」はなんとも形容しがたいものがあった。多感な時期を田舎で過ごした僕には、そりゃあ周りを見渡せばどこまでも原風景なんて広がっていたのだけれども、僕が憧れを抱いていたのは、都会のそれだった。成長する街にはあまり興味がなく、ましてや周囲を含め成長するそぶりすらない街になんて。トーキョー発、4人組Contemporary Exotica Rock Orchestra。略してceroのデビュー作。音楽性はミクスチャー/ポストロックあたりがベースか。その上でヒップホップもトラディショナルなポップも舞台で自由に跳ねまわる、抜群の完成度。左右のチャンネルの多幸感も新人離れしている。居並ぶ言葉たちに耳をすませば狐の嫁入り」と「iPod」が並列するという架空都市っぷり。童謡の歌詞の挿入も耳に楽しい。いわゆるエキゾチカな質感だな、と思えば、辿って出るわ出るわのティン・パン・アレー/ムーンライダース人脈。なるほど。この計算しつくされた音像にも納得だ。本秀康さんによるアートワークもパーフェクト。一聴した瞬間には僕が欲していたものが10年ぶりに現れたと歓喜に震えたが、冷静に考えれば彼らが奏でる都市の原風景とモダンさとの共演が、実在するものであっても虚像であってもどちらにしても悲しいじゃないか。それでも、ここで映し出されている景色はどこまでも美しく、正しいがゆえ、聴くたびに笑顔になってしまう。音楽の魔法が宿ったレコードだと思う。」いまだその評価に揺るぎはない。これが2010年代のポップの指標だ。

[マイスペ] http://www.myspace.com/cerofan
[つべ] cero - 21世紀の日照りの都に雨が降る



2. Mirror Traffic / Stephen Malkmus & The Jicks

ミラー・トラフィックミラー・トラフィック
スティーヴン・マルクマス&ザ・ジックス

Pヴァイン・レコード 2011-08-17
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Pavement信者である僕も、ヒーローであるところのマルクマス兄やんを兄やんだからという理由で評価したことはない。たぶん。ベックプロデュースで、ああやっぱりなんだかんだ引っ張ってきた人たちだなあという相性の良さ。だが、これまでの作品のようにソロあるいはジックス名義でのカラーであるとかPavementの根っこにあった傾いたまままっすぐ進む平衡感覚、いわゆる「俺はがんばってる!」スタイルからは若干距離のあるつくりになっている。ひょうひょうとした風情の中にストレンジさとギターテクが折り重なっていて、ソロ1stの時とはまた違った感覚で「ああもうPavementはいないんだな」と感じた。そして改めてこう思うのだ。僕はヒーローに出会えた、なんて幸運で恵まれた青年だったのだろうかと。

[公式] http://stephenmalkmus.com/
[つべ] Stephen Malkmus and The Jicks - "Senator"



1. 夏の一部始終 / Lantern Parade

夏の一部始終夏の一部始終
LANTERN PARADE

ROSE RECORDS 2011-11-21
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長くなったので、別エントリで。素晴らしい作品でした。

[マイスペ] http://www.myspace.com/lanternparade
[つべ] Lantern Parade「木の葉散る」