Wowee Zowee !

わーうぃーぞーうぃー!

2011 にんじんBEST DISC 70 vol.5

30. Kaputt / Destroyer

KaputtKaputt
Destroyer

Merge Records 2011-01-25
売り上げランキング : 17627

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

グレイト!通算9作目に到達したビタースウィートの極地。ロマンティック桃源郷、悪意と甘美の白昼夢。もう9作目ですか。それでいてこんなに瑞々しく、ロマンティックなポップを奏でられるもんなんですね。男女ツインの気だるいボーカルとアンビエントな質感を持った電子音を武器に、ジャズやシンセポップなどを横断する豊潤な意匠には脱帽。近年のポップの潮流の一部として旋律を楽しむのもよし、放たれる甘美なフレグランスで部屋中を満たすBGMとして機能させるもよしのバランスのとれた良作ですね。真なるロマンティックには、悪意と「私」の所在なさげな表情が不可欠だが、そのビターな質感は確かにここにある。お見事。

[マイスペ] http://www.myspace.com/destroyer
[つべ] Destroyer - Kaputt


29. Call It Blazing / A Classic Education

コール・イット・ブレイジングコール・イット・ブレイジング
ア・クラシック・エデュケーション

バウンディ 2011-10-12
売り上げランキング : 514972

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

くぐもったサウンドスケープも、標榜する意匠も、まるで亡霊のようなアルバムだと思う。ただし、このレトロスペクティブすれすれのところが時流といえば時流。全12曲34分とポップマナーにそった優秀な作りとなっている。ここに思想が宿るかどうかはこれから。イタリア発ってのもいいね。これをサーフシーン云々の文脈で聞いてしまうと誤解を引き起こすから、それだけはあまりお勧めしない。脳内で聴くといいよ。

[マイスペ] http://www.myspace.com/aclassiceducation
[つべ] A Classic Education - Baby, It's Fine


28. Nursing Home / Let's Wrestle

Nursing HomeNursing Home
Let's Wrestle

Merge Records 2011-08-09
売り上げランキング : 235944

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

彼らがこんな真面目なアルバムを作るなんて…!いや、思えばパパパーとか言いながらも、その始まりが「I won't lie to you」だった時点で、明確な知性とアイロニーがそこにはあったのだ。フルレンス2作目にして才能が開花である。全12曲30分。このヘロヘロパンクにロマンを感じないなんて嘘だぜ。もちろんアルビニプロデュースの功績も大きいだろう。だが、ソングに対して誠実である点がその魅力を最大限まで押し上げているはずだ。彼らの音楽的造詣は決して浅いものではないはずだが、「いつもはパンクバンドって言っている。音は違うかもしれないがポリシーがそうなんだ。それ以外に知ってもらう事はないよ。」 とフロントマンのWesley。ね、かっこいいでしょ?

[マイスペ] http://www.myspace.com/letsfuckingwrestle
[つべ] Let's Wrestle 'In Dreams Part II'


27. Heaven Is Attached by a Slender Thread / The One AM Radio

Heaven Is Attached By a Slender ThreadHeaven Is Attached By a Slender Thread
One Am Radio

Dangerbird Spain 2011-04-12
売り上げランキング : 227377

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

これまでのフォークトロニカ的な内省性は影をひそめ、外へ開かれたつくりとなっている。これまでで最も開放的でモダンかつ肉体的。ただ、今だに慣れない。笑っちゃう。でも、これまでのキャリアを知らない人にとっては、別に「よいエレクトロポップアルバムに仕上がっているなあ」とかそういう作品だと思う。「The Heat」はこれまでの叙情性と有機/無機のバランスがとれたハイライト。キャリアの幅が確実に広がった快作。

[マイスペ] http://www.myspace.com/theoneamradio
[つべ] The One AM Radio - In a City Without Seasons


26. Salon Des Amateurs / Hauschka

Salon Des AmateursSalon Des Amateurs
Hauschka

Fat Cat 2011-04-12
売り上げランキング : 77325

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

最近のインストものはやたら潔癖性や物語性ばかりを強調しすぎていけすかない…。やっぱりポストロック源流が持つ器楽性に耽美さとかエロティシズムを織り込むのがいいんじゃないのか…ということでドイツのHauschkaのニューマテリアル。前述のような連中とは一線を画す素晴らしさ。今作もまた、プリペアード・ピアノ精神が息づく好盤である。何より自らに内在する扉を自然に開けて物語を構築してくれるところがいいじゃないか。すべては聴き手次第。既にある物語に触れることに飽いた方は、ぜひ。

[マイスペ] http://www.myspace.com/hauschka


25. Hysterical / Clap Your Hands Say Yeah

HystericalHysterical
Clap Your Hands Say Yeah

Cyhsy Inc 2011-09-20
売り上げランキング : 31409

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

妙にメジャーでビッグなプロダクションに最初は戸惑ったが、ひねたメロディーは健在。1stや2ndのような興奮とはまた違った趣があり、そして確かにCYHSYの世界観であることも同時に感じさせる高レベルなポップソング集。こういうことを進化/深化というのだろう。スタート時の景色を思うと、よくぞここまでそのパノラマを維持し続けられるなと、感嘆の声すら漏らしてしまいそうな秀作。

[マイスペ] http://www.myspace.com/clapyourhandssayyeah
[つべ] Clap Your Hands Say Yeah - Same Mistake (Live on KEXP)


24. Mission Bell / Amos Lee

Mission BellMission Bell
Amos Lee

Blue Note Records 2011-01-25
売り上げランキング : 114350

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

世界を魅了した「Keep It Loose, Keep It Tight」から早6年。通産4枚目はおなじみブルーノートから。初期に見られたAORにも通じるモダンなシティポップとしての表情は、作品を重ねるごとにその枯れた意匠とともに味わい深さと土臭さとを増し、ブルーアイドソウルというくくりから解き放たれ、Amos LeeというSSWとしての世界観を構築するに至った。僕がウェストコーストの音楽に魅了されてからどれくらいになるだろうか。2000年代を(セールス的にも)代表するSSWの1人がこんな作品を出してくれるなんて、なんて幸せなことだろう。プロデュースはCalexicoのジョーイ・バーンズで、Iron&Wineことサムビームも参加。ほら、豊潤でかつ荒涼とした「アメリカ」が立ち上ってこないか。これこそ、ソウルだ。

[マイスペ] http://www.myspace.com/amoslee
[つべ] Amos Lee - Flower


23. Dye It Blonde / Smith Westerns

Dye It BlondeDye It Blonde
Smith Westerns

Fat Possum Records 2011-01-18
売り上げランキング : 99081

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

1stの頃のファズパンクな感じが薄れて美メロがむき出しになったこの作品が2011年の幕開けを告げたことは、全てのインディキッズにとって福音だったことだろう。タイトルと言い相変わらずの中指立てっぷりは素晴らしいが、乱反射な美しさはいささかかっこつけすぎじゃないか。いやま、好きだけど。個人的にはそれ以上に1stのあからさまな感じが大好きだった(今でもほんとアレまんまなGirl In Loveは最強だと思っている)。高水準のガレージポップ。インディかくあるべし。チルウェイブもウィッチハウスもクソクラエだぜ。

[マイスペ] http://www.myspace.com/smithwesterns
[つべ] Smith Westerns - Weekend


22. BeVeci Calopueno / モーモールルギャバン

BeVeci CalopuenoBeVeci Calopueno
モーモールルギャバン

ビクターエンタテインメント 2011-03-16
売り上げランキング : 12665

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

稀代のペシミストがお送りする、ロマンティックな一撃。バンドとしてのモーモールルギャバン、会心のアンサンブル。そう、バンドアンサンブルが格段に良くなっているのだ。もともと技術屋集団としても申し分のないポテンシャルは見せてくれていたがそれと比較してもこれは大したものだ。また、アイデアと音楽的素養の豊かさをちゃんとポップに落としこんでいるのも相変わらず良い。なかでもリードトラックの「Hello!! Mr. Coke-High」が秀逸。ユキちゃんみたいな曲なんか2度と作るか、と吐き捨てただけはある。もはや彼らからはある種のプログレファンクロックとしての風格すら感じる。これらの背景にはゲイリーのワンマンバンドから「モーモールルギャバン」への進化が大きく寄与しているのだろう。なかでもユコ・カティの存在が相当大きかったのであろうことが伝わってくる。まあつまりは、なぜ今になって「美紗子にささげるラブソング」をボーナストラックとして入れてきたのか、ということである。ペシミストがロマンティックをやると強い。バラエティ豊かな全編を通して自信が伝わってくる。彼らに「J-Pop」の未来を託したのは正解だったと、今でもそう思っている。とにかく「愛と平和の使者 あいつはゲイだった 彼氏もゲイだった あの子は眠れない 人生いろいろ」このラインだけで十分すぎる。J-POPの未来を彼らに託した僕もあなたも間違いじゃない。いけいけ。

[マイスペ] http://www.myspace.com/mowmowlulugyaban
[つべ] モーモールルギャバン/Hello!! Mr.Coke-High



21. Into The Murky Water / The Leisure Society

Into the Murky WaterInto the Murky Water
The Leisure Society

Full Time Hobby 2011-05-02
売り上げランキング : 165786

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

1stの冠が「ペンギンカフェ×キンクス」である。いろいろな意味で恐ろしい。さて今作。気取らず何でもないような顔をしながら傑作である。ピアノ、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラにハープ、マリンバやらクラリネットやら…これぞオーケストラルポップの王道。非常に開放的な作品で、陽性の気持ちが高まってくるが、この高潔の世界からは「僕のことを忘れないで」という名も無い少年の声が聞こえてくる。牧歌的トラッドフォークとしては、近年のベルセバなんかよりも遥かに素晴らしい。曲順も魔法を後押しする。真のまどろみとはかくあるべきだろう。

[マイスペ] http://www.myspace.com/theleisuresociety
[つべ] The Leisure Society - Dust On The Dancefloor