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わーうぃーぞーうぃー!

愛と笑いの夜 / サニーデイ・サービス

愛と笑いの夜愛と笑いの夜
サニーデイ・サービス

ミディ 1997-01-15
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96年から97年というのは、バンドとしての「サニーデイ・サービス」が迎えた最初の絶頂期であったのだろう。97年には彼らは2枚の良質なアルバムを世に放っており、その間にはこれまた名曲である「恋人の部屋」というシングルも生み出している。

前作と打って変わって不機嫌なギターのストロークで幕を開ける本作であるが、「白い恋人」と「サマー・ソルジャー」という2大シングルを挙げるまでもなく、全体の雰囲気としては彼らのカタログの中でもひときわポップフィールドに寄った、極めてコマーシャルなアルバムである。サニーデイがまだ僕の外側にあった頃、このウェルメイドさに最高傑作だと思っていた時期があった。だが、ここには独特の倦怠が少々足りない。

いや、歌詞をよく見れば恋人が去ることについての自己陶酔めいた哀しさはあるのだが…先のシングルと、プロダクションがそれを吹き飛ばす。そう、『愛と笑いの夜』それは肯定のフィーリングなのだ。それがその時々の僕にとって評価を分かつものになっている。
 

ただし、6分に及ぶ名曲「サマー・ソルジャー」は、本当に素晴らしい。一瞬たりとも無駄な瞬間がない。ここまで突き抜けて「二人」を肯定するならば、大歓迎だ。何より感動的なのは、所謂『太陽のせい』をポジティブに再解釈して落とし込み、「それから先」を季節に溶け出させるという手法だ。

愛し合う二人 はにかんで なんにもしゃべらず 見つめあう それから先は… hey hey hey


そしてそのまさに「8月の小さな冗談と真夏の思い病」の後でもあるラストの「海岸行き」で夏の終わりと輪廻としての夏を匂わせながら、「すぐに秋がきて 海にはだれもいなくなる」と歌うあたりもニクい。本質とはまた別な魅力を放った作品だが、この勝負に出た力の入り方は次作でしっかりと実を結ぶことになる。