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わーうぃーぞーうぃー!

四畳半神話大系 (角川文庫)四畳半神話大系 (角川文庫)
森見 登美彦

角川書店 2008-03-25
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「私」の大仰でありながら軽妙な語り口は、ブルーにこんがらがった日常を想起させ、何ともいえない、でも決して不快ではない思いを僕に抱かせるには十分だった。最終章の出口の無さゆえのカタルシスはお見事。「成就した恋ほど語るに値しない」「可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」など目立つものだけでも示唆に富んだ言葉がたくさんある。もう少し早く出会っていればと思うが、思った時点ではめられているわけである。僕の学生時代は同じように憂鬱であったはずだし、10畳で霞を食べつつ黒髪の乙女に恋をする季節は何も変わらなかったはずだ。1点だけ「私」と異なるのは語るに値しない物語を得られなかったところだろうか。そこは今の僕から捧げることができる「僕なりの愛」で何とかするとしよう。